高知・いの町の集落活動センター「氷室の里」の取り組み紹介
氷室の里は、いの町本川地域(旧本川村)にある集落活動センターです。今回は、そんな集落活動センター氷室の里について紹介します。
氷室の里の概要と成り立ち

集落活動センター「氷室の里」は、高知県吾川郡いの町本川地区の越裏門・寺川地域に位置する、人口70人ほどの小規模な山間集落で運営されている地域拠点です。
少子高齢化や過疎化が進む中、地域のつながりを維持しながら、地域資源を活かした活動を展開しています。2016年に設立され、住民主体による地域づくり、交流人口の拡大、特産品の開発・販売などを通じて、持続可能な地域運営を目指しています。
越裏門・寺川地域は、かつて林業で栄えた山間部の集落ですが、1970年代以降は急速に人口減少と高齢化が進行。高齢化も進み、いわゆる「限界集落」に近い状況にあります。
こうした中で、地域住民が自らの暮らしを守り、外部とのつながりを作るため、「越裏門・寺川村おこし協議会」が発足。その後、「集落活動センター 氷室の里」が設立されました。
主な取り組み
原木まいたけの栽培・販売

氷室の里の中心的な取り組みが、原木まいたけの栽培です。
標高約600メートルの冷涼な気候と清浄な水に恵まれた環境を活かし、自然に近い方法でまいたけを育てています。秋の収穫期には、住民総出で収穫作業を行い、高知市内のイベントなどで販売も行われます。
高品質で香りのよいまいたけはリピーターも多く、地域の重要な特産品となっています。
体験プログラム・教育機関との連携

大学生や移住希望者、地域活動に関心をもつ外部の人々を対象に、さまざまな体験プログラムを提供しています。たとえば原木まいたけの植え込み体験や収穫体験、旧森林軌道跡を活用した自然散策などです。
また、高知県内の大学や専門学校との連携による地域学習の受け入れなど、教育機関との協力も積極的に進めています。外部からの参加者との交流は、地域住民の刺激にもなっており、相互に学び合える関係性が生まれています。
移住者・関係人口との連携

近年、都市部からの移住者や地域活動への関心を持つ人の受け入れも進んでいます。
実際に、大阪や東京から移住した人が地域支援員や地域の担い手として活動しており、地元住民と連携しながら地域の担い手としての役割を果たしています。
また、「地域体験」「学生ボランティア」といった形での参加者も増加しており、移住・定住に向けたきっかけづくりや、新しい発想の導入にもつながっています。
課題と展望

氷室の里が抱える最大の課題は、やはり人口減少と高齢化による地域力の低下です。今後も持続可能な活動を続けるには、地域内外の連携をさらに深め、関係人口の拡大と多様な担い手の確保が不可欠です。
その一方で、原木まいたけをはじめとする地域資源の価値は高く、体験型観光や農業体験、ワーケーション等と組み合わせた取り組みの可能性も広がっています。今後は、こうした多様な視点を取り入れながら、地域の魅力を発信し、選ばれる地域としての体制づくりを進めていくことが期待されています。
アクセス・基本情報
- 名称:集落活動センター 氷室の里
- 所在地:高知県吾川郡いの町越裏門340‑8
- 電話番号:088-869-2771
- 運営母体:越裏門・寺川集落活動センター運営協議会
- 設立:2016年
- アクセス:高知市中心部から国道194号を北上、本川支所から車で約30分
おわりに

今回は、集落活動センター氷室の里について紹介しました。原木舞茸の購入や体験プログラムなどの参加申し込み等については上記電話番号にお問い合わせください。