自然に癒やされる森の拠点。「木の根ふれあいの森」
高知県いの町本川地区、標高600mの深い森に囲まれた静かな場所に、「木の根ふれあいの森」という自然体験施設があります。
かつて林業で栄え、現在は過疎化が進む本川地区において、自然とのふれあい、そして人との交流をテーマにしたこの施設は、宿泊・キャンプ・研修・アウトドアアクティビティなど多彩な体験ができる“森の拠点”です。
今回は、そんな「木の根ふれあいの森」について紹介します。
手つかずの原生林に囲まれた環境

施設の周辺には、樹齢300年以上の高野槇(コウヤマキ)などの古木が立ち並び、野鳥のさえずりやムササビの滑空音、そして夜には満天の星が広がる、まさに自然の宝庫です。
標高600mという立地により、夏は涼しく、避暑地としても最適です。春は新緑、秋には紅葉、冬は澄んだ空気と四季を通じて楽しめる環境が整っています。
敷地内には整備された遊歩道やツリーハウス、ハンモックが点在し、森の中を自由に散策したり、ゆったりと過ごしたりすることができます。
近くの「木の根三里橋」と呼ばれる吊り橋からは、眼下に広がる清流の絶景が望め、訪れる人に非日常の癒しを提供してくれます。
宿泊施設:地元材を使った温もりあるコテージ

施設内には、地元産のスギやヒノキをふんだんに使用した木造コテージが5棟あります。
4棟は2階建て、1棟はバリアフリー対応の平屋タイプ。宿泊人数は4名用(約15,000円)から8名用(約30,000円)まで対応し、室内にはバス・トイレ・簡易キッチン・冷蔵庫・電子レンジ・炊飯器・食器なども完備。
木の香りに包まれた空間はまるで山小屋にいるような心地よさで、家族連れから高齢者まで幅広い層が快適に滞在できます。
キャンプサイト:1日1組限定の森のプライベート空間

キャンプ派におすすめなのが、広々とした8区画のキャンプサイト(1泊1,500〜1,650円程度)。
そのうち1区画は完全貸切型で、1日1組限定のプライベートキャンプが可能です。
炊事場・トイレ・温水コインシャワーも完備されており、初心者でも安心してアウトドア体験を楽しめます。
さらに、テント泊に不安がある方向けに6畳サイズの「ケビン(小屋)」も整備されており、星空を見ながらの宿泊や、渓流沿いの朝の目覚めなど、贅沢なひとときを味わえます。
多彩な自然体験と学びの場としての活用
「木の根ふれあいの森」では、森林浴、野鳥観察、昆虫採集、紅葉狩り、星空観察、バーベキューなど、四季折々の自然を活かした体験が可能です。
ツリーハウスやハンモックでのんびり過ごすもよし、吊り橋でちょっとした冒険気分を味わうもよし。
子連れファミリーからソロキャンパーまで、多様なニーズに対応しています。
また、施設内には約50名が利用できる研修館も備わっており、研修や地域イベント、ワークショップ、教育旅行など団体での利用にも最適。「自然×学び×交流」の場としても大いに活用されています。
ジビエと地元野菜が味わえるビストロも併設

施設の魅力のひとつが、併設の「Cafe&Bistro 木の根に萌す。」です。高知県の猟師が仕留めた鹿や猪、自家菜園で育てられた新鮮野菜を使った料理が楽しめるレストランで、訪れた人の満足度も高いスポット。
中でも「奥山育ちのハンバーグステーキ」は、高知よさこいジビエコンテストで優秀賞を受賞した逸品。まさに山の恵みを五感で味わうことができる食体験です。
人と人が出会う場所
この施設を運営しているのは、地元のNPO法人で、地域住民が関わる形で管理・運営されており、ただの宿泊施設ではなく、人と人とのつながりが生まれる「交流の場」でもあります。
その名の通り、「ふれあい」がこの施設の大きなテーマ。自然とのふれあいはもちろんのこと、訪れた人と地域の人との出会いもまた、この場所の魅力のひとつです。
アクセス・基本情報
- 所在地:高知県吾川郡いの町戸中171
- 電話番号:088-850-5658
- アクセス:高知自動車道・伊野ICから車で約1時間10分
- 公式サイト:木の根ふれあいの森公式ページ
- 利用期間:3月~12月(冬季は一部休業あり)
- 予約:前日までに要予約。繁忙期はネット予約(60日前〜)のみ受付
- 注意事項:ペット不可/屋内での直火や打ち上げ花火は禁止
自然と向き合う時間を持ちたい方、家族でのんびりと自然を楽しみたい方、地域交流や研修を検討している団体の方にもおすすめの施設です。静かな森の中で、自分をリセットするようなひとときを過ごしてみませんか?